はじめに
NTT西日本の服部です。本記事はNTT WEST Engineers' Blog 開設にむけて投稿記事レビューのワークフローを爆速で構築した話の第4回の記事となります。
前回までの記事も読んでいただけるとありがたいです。
第4回となる本記事ではPower Automateによるレビューフロー前編としてレビュアーのアサイン依頼のフローについてご紹介します。
本記事は2025年9月時点の情報に基づきます。
- ①~概要編~
- ②~Microsoft Forms/Microsoft Lists編~
- ③~Power AutomateによるMicrosoft Listsへの自動登録編~
- ④~Power Automateによるレビューフロー前編~(本記事)
- ⑤~Power Automateによるレビューフロー中編~
- ⑥~Power Automateによるレビューフロー後編~
第1回でご紹介したワークフローの全体像のうち、以下の図にあたる内容となります。
![]()

対象読者
本記事が想定する対象読者は以下の通りです。
- 自動化に興味がある人
- 繰り返しの定常的な作業に困っている人
- Microsoft Forms/Microsoft Lists/Power Automateを使ってみたい人
背景
NTT WEST Engineers' Blog に向けて、ブログ記事のレビュープロセスを効率化したいという要望を受けて執筆者が検討・構築しました。
SaaSの新規サービスを導入する予算はありませんでしたが、幸い全社的にMicrosoft Forms、Microsoft Lists、Power Automateが利用できる環境だったため、これらを用いてブログ記事レビューのワークフローを構築しました。
本記事ではPower Automateによるレビュアーのアサイン依頼フローについてご紹介します。
レビュアーのアサイン依頼フロー
レビュアーのアサイン依頼フローとして構築したPower Automateのフローは以下の通りです。

各ステップの内容についてご紹介します。
1.アイテムが作成または変更されたとき

上記の設定はこのPower Automate のフローが実行される条件(トリガー)になります。
ここでアイテムというワードが唐突に登場しましたが、Microsoft Listsにおける一行ごとのデータ(レコード)のことをアイテムといいます。本記事においては1件分のレビュー依頼に相当します。
特定のSharepointサイトのリスト名を指定して、対象のリストでアイテムが作成または変更されたときにこのフローが実行されます。
初期設定のままではアイテムが新しく作成されたときにもこのフローが実行されてしまいますし、既存のアイテムについては何か一つでも列の値が変更されたときでもこのフローが実行されてしまいます。
そのため、このフローが実行される条件を限定する必要があります。
ステップの右上の・・・から設定をクリックします。
設定をクリックすると下図の画面が表示されます。

トリガーの条件の部分にこのフローが実行されるために満たすべき条件を指定します。
このフローのトリガーの条件は以下の内容が設定されています。
これはリストでアイテムが作成もしくは値が更新されたときに該当のアイテムについてステータスがレビュアーアサイン待ちかつレビュアーが未設定であればフローが実行されることを意味します。
@equals(triggerBody()['OData__x30b9__x30c6__x30fc__x30bf__x30/Value'],'レビュアーアサイン待ち')
@equals(triggerBody()['OData__x30ec__x30d3__x30e5__x30a2__x30/Value'],'未設定')`
OData__x30b9__x30c6__x30fc__x30bf__x30やOData__x30ec__x30d3__x30e5__x30a2__x30は列の名前を指しています。
列の名前にステータスやレビュアーというように全角文字を使用した場合、この値はMicrosoft Listsの設定画面から指定すべき文字列を確認する必要があります。
Sharepointサイトでリストを開き右上の歯車のマークからリストの設定をクリックします。

以下の画面に遷移し、条件として使いたい列をクリックします。
今回はステータスとします。

遷移後の画面のURLを確認しField=に続く値をコピーします。
OData_とコピーした値を結合した文字列が特定の列を指す値となります。
条件として指定する列の種類が選択肢の場合は/Valueを末尾に追加する必要があります。
今回の例ではOData__x30b9__x30c6__x30fc__x30bf__x30/Valueという文字列がステータスという列で選択されている選択肢を指すことになります。

条件式の書き方については以下の公式ドキュメントも参照ください。
Power Automate で条件式を使用する - Power Automate | Microsoft Learn
2.チャネルでメッセージを投稿する(レビュアーアサイン依頼)

今回作成したワークフローではレビュアーを設定する操作自体は運営担当者にて手動で設定するという設計にしているため、運営向けにMicrosoft Teamsで通知するという処理を設けています。
メッセージの編集画面の右上の</>をクリックするとhtmlのタグを使ってメッセージの内容を設定することが出来ます。

注意事項
今回ご紹介するPower Automateのフローは意図的にフローの実行結果から別のフローを呼び出すという設計にしていますが、設定値を誤ると無限ループが発生する可能性があります。
本記事の内容を流用される場合には無限ループが発生しないように十分に注意して設計/構築してください。
無限ループへの対処法については以下の日本マイクロソフトのブログ記事も参照ください。
Power Automate のフローで無限トリガーループが起きる際の対処法 | Japan Dynamics CRM & Power Platform Support Blog
まとめ
今回はレビュアーのアサイン依頼フローとして構築したPower Automateついてご紹介しました。 次回はレビュアーアサイン後のレビューフローについてご紹介します。
執筆者
服部 真智(NTT西日本 ビジネス営業本部所属)
普段はAWS案件の提案、設計、構築等の支援を行っています。
自業務の効率化のためにPython,Power Automate,生成AI等を使って日々試行錯誤しています。
2025 Japan AWS Top Engineers (Services)
商標
Microsoft (Microsoft Entra 、 Microsoft Teams 、 Power Automate 、 Microsoft Lists 、 Microsoft Forms)及び関連する名称並びにそれぞれのロゴは、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。