NTT WEST Engineers' Blog開設にむけて投稿記事レビューのワークフローを爆速で構築した話②~Microsoft Forms/Microsoft Lists編~

はじめに

NTT西日本の服部です。本記事はNTT WEST Engineers' Blog開設にむけて投稿記事レビューのワークフローを爆速で構築した話の第2回の記事となります。
概要は第1回の記事を読んでいただけるとありがたいです。
第2回となる本記事ではレビュー依頼をあげるためのMicrosoft Formsとレビューの進捗管理をするためのMicrosoft Listsについてご紹介します。
本記事は2025年9月時点の情報に基づきます。

第1回でご紹介したワークフローの全体像のうち、以下の図にあたる内容となります。


対象読者

本記事が想定する対象読者は以下の通りです。

  • 自動化に興味がある人
  • 繰り返しの定常的な作業に困っている人
  • Microsoft Forms/Microsoft Lists/Power Automateを使ってみたい人

背景

NTT WEST Engineers' Blog に向けて、ブログ記事のレビュープロセスを効率化したいという要望を受けて執筆者が検討・構築しました。
SaaSの新規サービスを導入する予算はありませんでしたが、幸い全社的にMicrosoft Forms、Microsoft Lists、Power Automateが利用できる環境だったため、これらを用いてブログ記事レビューのワークフローを構築しました。 本記事では1.レビュー依頼をあげるためのMicrosoft Formsと2.レビューの進捗管理をするためのMicrosoft Listsについてご紹介します。


1.レビュー依頼をあげるためのMicrosoft Forms

投稿者がレビューを申し込む用に以下のフォームを作成しました。

特別変わったことをしているわけではありませんが、フォーム作成の上で工夫したポイントをご紹介します。

1-1.回答者の情報を自動で収集する

今回のフォームは社内向けに公開されるフォームになるため、回答できるユーザーをEntraIDのテナントに参加しているユーザーに限定します。
また、後の処理でメールアドレス等を利用したいので回答者の情報も自動的に収集します。
作成しているFormsの設定から<テナント名>内のユーザーのみが回答できます。名前を記録のオプションを有効化することで実装できます。

1-2.規約への同意などを求める

規約への同意などの意思確認をするための質問を実装したい場合は、質問の種類を選択肢にした上で複数回答必須のオプションを有効にした上で選択肢を同意するなど1つにすることで簡単に実装出来ます。

1-3.お礼のメッセージをカスタマイズ

Formsの回答が送信された後に表示される画面で案内したいことがあるなどの場合には下図における赤枠部分のテキストを編集することが可能です。

設定お礼のメッセージをカスタマイズを有効にすると回答後に表示されるテキストを編集できるようになります。


2.レビューの進捗管理をするためのMicrosoft Lists

レビューの進捗管理をするために以下のようなリストをSharepoint上に作成しました。

各列の詳細は以下の通りです。

列の名前 列の種類 概要
ID 数値 デフォルトで作成されている列
タイトル 1 行テキスト 記事のタイトル/デフォルトで作成されている列
概要 複数行テキスト 記事の概要
投稿者 ユーザーまたはグループ 投稿者のメールアドレス
下書きプレビューURL 複数行テキスト ブログ記事の下書きを共有するためのURL
自由記述 複数行テキスト 備考欄
レビュアー 選択肢 レビュー担当者のメールアドレス
・未設定
・レビュアー1のメールアドレス
・レビュアー2のメールアドレス
以下略
ステータス 選択肢 レビューの進捗状況
・レビュアーアサイン待ち
・レビュー待ち
・差し戻し(修正待ち)
・レビュー完了
・投稿完了
・却下/消滅
更新日時 日付と時刻 デフォルトで作成されている列
登録日時 日付と時刻 デフォルトで作成されている列

リストについても作成の上で工夫したポイントをご紹介します。

2-1.投稿者 / レビュアー

投稿者についてはMicrosoft Formsで回答者の情報を自動で収集するようにしており、この項目ではUPN(メールアドレス)を登録しています。 次回解説予定のため、そうなんだくらいの認識で大丈夫です。
レビュアーについてもワークフローの中でメールアドレスを利用するため、列の種類をユーザーまたはグループとしても問題ありません。
しかし今回構築したワークフローではレビュアーの指定は運営者が手動で設定する設計としており、入力ミスで関係がないユーザーがレビュアーに設定されてしまう可能性があったため、レビュアーについては選択肢としました。

2-2.下書きプレビューURL

Microsoft ListsにはURLという列の種類が元々存在していますが、URLには255文字の文字数制限があります。
万が一256文字以上になったとしてもエラーを回避できるように複数行テキストとしています。
通常の複数行テキストの場合はリンクとして機能しませんが、列の書式設定を以下のようにすることでリンクとして機能させることができるようになります。

{
  "$schema": "https://developer.microsoft.com/json-schemas/sp/v2/column-formatting.schema.json",
  "elmType": "a",
  "txtContent": "@currentField",
  "attributes": {
    "target": "_blank",
    "href": "= @currentField"
  }
}

列の書式設定の変更は設定したい列をクリックし、列の設定この列の書式設定詳細モードを選択することでJSON形式で書式設定をすることができるようになります。

設定欄に上記のJSONをコピー&ペーストして保存をクリックすることで該当列の文字列はURLリンクとして機能するようになります。

2-3.ステータスでグループ化

レビュー依頼リストを見やすくするためにステータスでグループ化することで表示方法を変更しています。 下図はステータスの値でグループ化されている状態です。

2-4.ID/更新日時/登録日時

これらの列はデフォルトで作成されている列ですが、初期設定では表示されていない列です。
列の表示/非表示や順番を変更したい場合は、すべてのアイテム現在のビューの編集をクリックします。

以下の画面のの項目で表示/非表示や順番を変更することが可能です。


まとめ

今回は本ブログ開設にむけて構築した投稿記事レビューのワークフローのうち、レビュー依頼用のMicrosoft Formsと進捗管理のMicrosoft Listsをご紹介しました。
次回はFormsの回答内容をListsに自動登録するためのPower Automateについてご紹介します。


執筆者

服部 真智(NTT西日本 ビジネス営業本部所属)
普段はAWS案件の提案、設計、構築等の支援を行っています。
自業務の効率化のためにPython,Power Automate,生成AI等を使って日々試行錯誤しています。
2025 Japan AWS Top Engineers (Services)


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